人間を語らないAIアニメは深みがないと思った話(vivy 最後まで見て)

ヴィヴィちゃん、最初はよかったのに3話あたりから既に迷走してたな…と思いつつ、最終話まで見たので何がつまらなかったのかをまとめました(˘ω˘)

ネタばれも入りながら色々書きなぐっておりますので、面白かった!という人、およびこれから全話見ようと思っているという場合は読まない方がいいかもしれません。

なお、本感想文は「人工知能とかサイバー空間とかそういうネタにバリバリ興味があって基礎知識もあるシステム関係業のオタクが見たら、色々ツッコミどころが気になりすぎて楽しめなかった話」なので、理屈くさいとか技術的な要素を求めすぎとか、そういう点をvivy に求めてないんだよ!と思える方はどうぞスルーしてブラウザバックお願いします(˘ω˘)

残念ながら、ここはそういうことを話したいんだよ!という私の城です(笑)

 

さて、このアニメ「Vivy -Fluorite Eye’s Song- -」
AI好きな人、攻殻機動隊とかを経てきているサイバーもの好きな人にとっては、非常に退屈に思えると思います。
ドラマ性(…?)重視で設定がふわふわなのと、SF的な設定や展開に意外性がない…。

 

まず、ざっくり全体構成はこうですよね。
ツッコミを入れながらまとめてみました(˘ω˘)

①AIが普通にロボットに搭載されて、1体につき1つの使命を与えられて街で活動してる世界

※2つ以上の使命を与えると成果が上がらなかったので、1人(?)につき使命は1つになったらしい
それって現代の社会の技術水準で考えてません?
アニメは遠い未来の話みたいに描いているけど、それ要するに産業ロボット、お仕事ロボット以上に進歩してないってことじゃん。
将棋AI(将棋のことしか学習させてないAI)に医療画像診断させたらそりゃあ成果は出ないよなと言ったら通じますでしょうか?
それはプログラムして機械学習させたやつがヘボって話になると思います。

 

②ヴィヴィちゃんはその中でも初めて造られた自律型の歌姫AI。なんでも「歌で皆を幸せにする」のが使命らしい

幸せにする、ってなんでしょうか^p^?
ヴィヴィちゃんは「心を込めて歌う」ということにはアニメ全篇通して悩んでましたが、
だったら「お客様はどうすれば幸せになるのか」
突き詰めれば「人間は何を幸せと感じるのか」
という点の考察を行う様子がまるで皆無だというところ、既にAIらしからぬ表現です(´・ω・)
それを100年の旅で考えるのかと思いきや以下略。長くなるのでとりあえず先に進みましょう(˘ω˘)

 

③アニメ開始時点のヴィヴィちゃんの世界から100年後、AIが暴走して人間を滅ぼそうとする戦争が起きる

タイムトラベルさせるぐらいの究極SF技術があるなら、AIぐらいプログラミングで制圧できんじゃね(˘ω˘)?

 

④100年後からタイムトラベルしてきたマツモト(これもAI)とともに、その戦争を止めるためのシンギュラリティ計画に参加する

はい、AIに2つ以上使命を与えるとポンコツになるんじゃなかったんですか?
まあすぐに全面的に協力したわけでもないし、「私の使命は歌で皆を幸せにすることだもの…」と作中何度も繰り返すので、そこは制作側も意識しながら表現したのかもしれませんが…。
このお話の流れ、もしかして13話使ってその設定証明したかったの^p^?ってくらい、ヴィヴィちゃんが
「今はそれ悩んでる余裕ないから!!!」という時まで「心を込めて歌うとは…」って悩んでいるので、なんか渾身のギャグみたいに思えてきちゃったりもしますよ…。

 

⑤シンギュラリティ計画とは、100年の間に起きたAIの発展史の転換点となった事件を変えていくことで、後の人間虐殺に繋がらないようにすること

1つの出来事を改変したら、(SF的)バタフライ効果で別の可能性を生むのではってことを気にするそぶりがない。

 

なお、シンギュラリティというのはこのアニメの造語ではなく、技術的特異点という概念で、人工知能が人間を超える日、みたいな既存の言葉ですね。
今度10年20年の単位でそれが起こるかもしれない、という意外と身近な可能性の概念なので、これはぜひちょっとだけでも検索してみてもらえると嬉しいです^^
なかなか楽しいですよvv

 

これら1、2、4を雰囲気でスルーして誤魔化した点、あと3と5でSF的な面白さを殺している気がします(´・ω・)
もっと色々言いたいんですが、それは後で箇条書きにでもして放り込みますね(笑)
ドラマ性重視(白目)かーーーーー

 

まあ13話っていう尺度で考えるとどうしても駆け足にはなると思うんですが、なんで私がヴィヴィちゃん見ててつまんねーなと思ったのか上記をまとめていたら、あのアニメを作った人の「AIって何」という思想が見えてこないと同時に、作中で「人間」の存在がほとんど考えられてないんだな、ということに気づきました。
あとついでに技術的要素についても確認が甘すぎというか…。

ていうか、ヴィヴィちゃんが人間と違うところってまともに描写されてないんですよね。
AIの「思う」とか「感情」というのなら、必ず人間との違いって出てこないと気持ち悪いのに、もうそれを獲得しているのが前提というか、人間のように考えて動くのが普通に描かれてるんだよなあ。
「心」の部分だけクローズアップしようとしても無理が出てきちゃう。

 

んで、これを完全に忘れられてると思うんですが、AIの行動は全て演算処理によって行われてるはず。
どんなに人間と同じように動いてる風に見えたとしても。
その間の揺らぎというか、ずれによって生じるドラマが非常に面白いところなのに、人間とAIの境界線を考えないまま、曖昧なまま。
それで使い古されてきたネタ「ロボットが心を得る」に走るのは分が悪すぎるぞ。

 

じゃあ最初からロボットって言われた方が納得いってました(笑)
最終回を見て、これをまとめながら、そこをうんうん唸って考えていたら、今更気づいたんです。
これはドラえもん(ロボット)の話だわ…(˘ω˘)

人間とAIの関係を描くつもりはほとんどなくて、1つのAIの個体がAIの世界を眺めていく100年の旅。
それだけがやりたかったんでしょうか。
そう言ってくれたらいいのに…100年の旅っていうからそこも期待しちゃったじゃん…^p^

 

そんな私でも、ヴィヴィちゃん1、2話は「おっ」と思いました。だから最後まで頑張って見たんですよ(笑)
ここからはなんでこうなったのか、先ほどまでの持論を踏まえながら、疑問点と合わせてアニメを振り返りながら全力でツッコミます。

 

ここからちょいちょい具体的なネタバレになるので畳みます^p^
あ、最初はそうしようと思ってたけど長くなったので、各話ごとの流れで解説したりはしませんよー。
それは公式かなんかでどうぞ…(˘ω˘)

(最近この、長いorネタバレは畳むというのも昔のオタクのオワコンなのかと思ったりしなかったり…(;^ω^))

>>> 続きを読む

 

1つのAIの個体がAIの世界を眺めていく100年の旅。
そう言ったものの、要素を詰めすぎているので、そう思いにくいのが難点の1つです。
・歴史改変
・心を込めて歌う
・AI
・AIの人間虐殺
これらを詰めておいて、ヴィヴィちゃんの旅が書きたいだけだもん!っていうの、ちょっと無理がありません?

そのせいかなんなのか、これから書くような
「薄いなあ」
と思ってしまう点が生じてしまいました(´・ω・)

畳む前も後もぼろくそ言ってますが、それでも私がおっと思った部分もあります。
この辺。

・2話のラストで、唯一ヴィヴィちゃんの歌のファンだった人間の女の子の死
・6話のラストで、自分が行った行為のせいで人間が目の前で自殺したことによるオーバーフロー

この辺はね、よかったです。
おっ話が動くか!?と思ったんですが、そんなことはなかったvvv
2話はともかく、6話のそれでヴィヴィちゃんが機能停止した後、7話でケロッと別人格になってんだもん!
あれはない。

 

人格って何?

完全再インストール…とも考えたけど、元の人格…?が残っていることから、この可能性は低いでしょう。
再構築、バックアップからの復元…などなどが考えられるけど、元の人格はアーカイブに引きこもってるということなので、ならその別の人格ってなんなんですかね。
ショックを受けた人間そのもののように描かれても、ちょっと腑に落ちないんですよねえ…。
「アーカイブ内でスリープしたままだったヴィヴィの上に、仮想環境を立てていたようなものだったの」くらい言ってくれたら光るものがあるのにな。

 

人間って何?

基本的にAIがAIの行動について考えている話がほとんどで、人間を観測していない。
そりゃあ未来変わらないわな。
ネットワークをほぼ無視していることから生じる弊害かもしれません。
物理インタフェース(ロボット)としてのふれあい・接触機会しかないので、AIを謳うくせに「成長速度が人間レベル」
寿命が100年以上ある人間の超鈍足成長物語にしか見えないので、失速というか、テンポが悪く感じたのはそのせいかも。

 

AIの死って何?

それぞれの各話でいくつもAIが死を遂げていくことがあるんですが、全部ボディの全損という結果によるものです。
解せない。
これもネットワークの存在が皆無なn(略。このネットワークに関しては後述します)

ぶっ壊れる前に、全てデータをネットワークに逃がして存在を退避し、新しいボディで蘇ることも普通AIならできると思うんですが、それも無しということなので、重ねて言うけどそれなら最初からロボットって言って!
(これ、あんまりサイバー系興味ない普通の視聴者なら気にならないかもだけど、好きな人は結構違和感を持つとこだと思う(;^ω^))

自殺・心中の話はともかくとして、それ以外の死についてはそれこそアーカイブとかを退避場所に使えねえのかよ。アーカイブとかDBとか言うんならさあ…解せぬ。

私がAIの死を書くのなら、それこそボディを消し去る以上に、ネットワーク上で特定個体が活動できなくなるプログラム撒いた上でサーバから消しますね。最低限。(方法はその時考えます(笑))

 

ここまでが、AIとヴィヴィちゃんについて思う事。
ここからは、もうちょっと細かい、SF的な部分に対して思う事になります。
ちょっとサイバー系とSF系の話が強めになるよ!

 

未来の世界でAIが人間不要と判断した理由・過去改変したことによる考察・演算が皆無

12話で、暴走したアーカイブ…
…あ、なお、、公式によるとこの「アーカイブ」って「世界中のAIのネットワークを管理する、AI集合データベース」らしいのですが、ネットワーク管理者なのかDBなのかアーカイブなのかはっきりしてよ(;^ω^)
ちょっと知識がある身からすると、それら全部違う意味の単語だよ…(笑)
「各単語の説明を行った上で、この文章の誤りを述べよ」とかどっかのシステム系学部の期末試験に出そうvvv

ふう、あらぶってすみません(;^ω^)
何はともあれ、そのアーカイブが「人間の発展はこれ以上見込めないと判断しました」と12話で宣言してくるけど、それを判断した根拠は?
このアニメ、人間側の描写がほぼ皆無なので、「お、おう、そうだな」としか思えません…。
まあその判断をさせないために(その判断をするまでAIが進化しないように)シンギュラリティ計画があったはずなんだけど、

「変えるべき歴史上の転換点を変えたからとりあえずOKっしょ!」
マジですか^p^?

「正史とは変わったぜイエーイ」
な感じで数話ごとにしれっと次のお話に移っちゃうの、どうにかならんかったんか。
変わった点として分かりやすいのを挙げるとこんな感じ

・AI人権法→AI命名法になった
・AIが衛星を落下させてたくさんの人間の命を奪った→AIが自分を犠牲にして衛星の落下を止めた
・AIの自殺→AIの心中

待て待て、これらの改変って、ちょっと考えれば結局正史より余計に「AI尊い!人間みたい!」ってなって
無駄な発展を生むんじゃねーの?
と思うんだけど、当然ながらその未来の結果演算はなし。
自殺が心中になったのなんて、ほとんど現象としては変わっていなくて「これでええんか」って感じなんですけど。
当然ながら、ヴィヴィちゃん達の行動の結果、11話まで来ても未来は変わりませんでした。

 

ヴィヴィちゃん達の100年で変わった点って、言葉は悪いですが
「所詮、AIが人間に与える印象がどう変わるかっていう点を部分的に少しいじっただけに過ぎない」ので、「未来を変えられなかったの…(´・ω・`)!?」と嘆くけれども、「途中で検証したり、それを受けての軌道修正することは全くなかったんだから、そりゃそうよね」ということになってしまいます(˘ω˘)

 

まあ、最初の考察が間違ってたわーというのは現実でもよくあることですよ。
でも、このお話の主人公はAIってやつです。
「知能」ですよ知能。それが「途中経過と今後の経過がどう変わるか」「一切考慮・演算しなかったこと」って相当痛手かと。
気持ち悪すぎますね。

歌姫AIって自分の「歌で皆を幸せにする」こと以外の演算できないんかな?
そういう意味でマジで2つ以上目的を持つとポンコツになるの?

 

なお、この途中で反AI派の活動家とかも出てきてますが、ストーリー上もヴィヴィちゃんの思考の流れの上でも、ほとんど意味がないです(˘ω˘)
その人たちがAIに対する考え方を変えるか変えないか、微妙にちらっと醸されてる程度で、未来への道筋の過程で何がどう作用したか推し量る基準にできたんじゃないかなあ、と思うと残念極まりない。

 

中途半端なタイムトラベル(タイムリープ?)

その12話で既に人間虐殺も始まってる中、「歌えない…」をやらかしますが、元々マツモトを送り込んできた博士が命を懸けて機械を操作したら、タイムトラベルしてちょっと前に戻れちゃった。
だからそれができるくらいならアーカイブくらい制圧して(以下略)

 

技術力の描写が皆無

先ほどのタイムトラベルでも書いた通り、とにかくこのアニメ、技術水準がふわっとしているので、正直過去に戻せるくらいならAIのサーバ(作中では件のDB)止めるくらいやれよと思ってしまう元エンジニアでごめんなさいね(;^ω^)
要するに雰囲気重視…

何せこのアニメ、あらゆるバトルシーンがほぼほぼ肉弾戦に次ぐ肉弾戦。
AIってぶち上げるなら電脳戦でもよかったのでは?ヒトガタロボット同士の肉弾戦なので、まあそりゃ一時的には映像として映えるけど、とにかく
「物理的に殴って最終的な暴走を止めるしかない」を全てにおいて貫き通します。

いっそ潔いわ。
これは私には合わなかった、というだけかもしれませんね。
でも、同じことを繰り返すだけなので、とにかくつまらなく感じちゃいました。
最後も11話くらいの時点ですでに「はいはい、どうせアルマゲドン的自己犠牲でヴィヴィちゃん機能停止して終わるんやろ…」って思っちゃいましたもの。

 

正直、1話からいきなり戦闘用プログラムインストールしちゃったとこなんて、
「あの…ヴィヴィちゃん、歌姫AIなんだけど?役に立たなくね?」
と思ったのもつかの間、さくさく戦い始めちゃう。

戦闘シーンの作画は結構いいんですが、そんなことより
「歌姫AI用のボディにそんなもんインストールしたところで、負荷的に運用には耐えないだろ!」
と思いきや、普通に戦えちゃうんだなあ^p^

なんやて工藤…(このフレーズが好きなだけですすみません(˘ω˘))

要するに監督からの「AIっていうかAI搭載アンドロイドアニメのつもりよ」という強いメッセージかもしれぬ…(´・ω・`)

 

暴走したアーカイブが停止する理由がとにかく雑

ヴィヴィちゃんの旅は結局AIが人間滅ぼすべしと判断した世界を変えられなかったわけだけど、虐殺が始まった際、暴走を始めたAI達は皆(この続きまとめの最初に書いた)AI統合DBのアーカイブに接続していることが分かります。
咄嗟にアーカイブに接続するヴィヴィちゃん(AI達は皆割と自由にアクセスできる様子)
いやそんな軽率にアクセスするなよ!
接続してるAIが暴走してるって言ってるのに、ヴィヴィちゃんまで乗っ取られるだろ!!
でも乗っ取られません(˘ω˘)
なんだこの雑さ加減(;^ω^)

まあでも話を聞いて行くと一応理由はあって、
「暴走したアーカイブの中にも、ヴィヴィちゃんの100年の旅を見てきた結果、人間を守ろうとする方針に賛成する部分もある」
などと言い出し、なんだこのご都合主義?と言わんばかりの
「あなたが歌を歌えばAIの暴走を止められるプログラムをセットしておいた。でも歌えばあなたも…」
なんていう展開が飛び出してくるなど。

ヴィヴィちゃんを歌姫設定にしたので、こんなトンデモな設定の最終決戦切り札が飛んできたのだと信じてますが、そんな雑な停止信号でOKなん?
なんでそれでヴィヴィちゃんまで最後機能停止しちゃうんです??(ネタバレ)
アルマゲドン的自己犠牲で簡単なお涙頂戴に流れるのはなあ…うーん。

AI的な方面を活かすなら、アーカイブと一部になってヴィヴィちゃんというスタンドアロンAIとしての個がなくなった、というオチの方が良かった気がします。
あ、スタンドアロンというのはネットワークに接続していない、という意味です。

 

というわけでここでこれ

AIのお話なのにネットワークの概念・描写が皆無

ネットワークの描き方1つで全然違ったんじゃないかと思うこのアニメ。
作中、ちょいちょいAIの業務用?のネットワークを介して他のAIとコンタクトする様子はたまーにありますが、それ以上のことはほぼ存在せず、最後のアーカイブの暴走の時にようやく思い出したかのように突然やってくるんです。

AIって、ネットワークを介して人間を遥かに超える情報量を得たり、それによって成長していくものであるはずなので、本来はそこをどう制限した世界にするのかとか、少しでもあった方が面白いと思います。

あのさあ、AIをテーマにした作品のロマンはネットワークにあるんだよお(持論)
物理的に殴って止めて、身を挺して庇って楽しいですか…?それガンダムの延長戦では?
それで心が―って言うのなら、ガンダムWの「僕に降りろって言うのかい?サンドロック…」の方がよっぽど萌えるし泣けるわ(笑)

あっそうだそうだ、このアニメはドラえもんだった><
そうでした…もうね、ダメなんですよ、人工知能としての純粋なAIでつい考えちゃうから(;^ω^)

先ほど書いた件ですが、まあ日本のドラマもサイバー関係のネタって腐るほどこの傾向あるけど
「アクセスを受け付けない!こうなったら物理的に止めるしかない!」ってなるの、どうにかなりません?
そうなる前に、ネットワークの切り分けとかしておくんだよ…。
絶対にAIにアクセスを許さないネットワーク上に制御拠点を置かないか?その攻防が楽しいt(略)

 

んで、このアニメの命題に対して思う事。

手段としてではなく、ステージで「心を込めて歌う」にたどり着いてほしかった

いやだって、冒頭から「どうしたら心を込めて歌えるの」と悩み続けてるんだから、何かしら答えは出ると思うじゃないですか。
視聴者的にもやっぱそれは見ておきたいところ。

最終話で「心は私にとって思い出」という答えはありましたが、最終話でのラスト歌唱は暴走するAIサーバ(…?)を止めるためのプログラムを流すためのもの。
それで人間の虐殺は止まり、まあ確かに平和にはなりましたよ。

なったけど、それは「心(今まで見てきた思い出を乗せた)を込めた歌で(プログラムを流して)皆を幸せにする」ではあるけど、私の願いとしてはそういう目の前の困難を解決するための手段じゃなくて、これが人の幸せなんだなというのを感じたヴィヴィちゃんの心を込めた歌が聞きたかったのよ…。

アルマゲドンのテーマが流れてくると反射的に泣いちゃうような形じゃなくてね!!
人を幸せにする歌が聞きたかったんだよヴィヴィちゃん!!

 

その後の世界について

13話ラスト、EDが終わった後のCパートで髪を切ったヴィヴィちゃんとマツモトの短い会話がありますが、あれはアーカイブの一部になって存在し続けているってことなんでしょうか?

そんなわけないと思います。
何故なら、AIによる虐殺は止まったとはいえ、それを止めたAIがいたとはいえ、ぶっちゃけこの結論だと「AIってやっぱやべーじゃん廃棄廃棄!」って意見が圧倒的多数な世界だと思うから。
そんなことやらかした殺人的思考に至ったアーカイブなんて残しておくと思いますか?無理でしょ。

なので、こうなったらいっそ虐殺にたどり着く前の時間で最終決戦にしておいて、アーカイブとヴィヴィちゃんのお互いの存在を賭けた戦いをしたらよかったと思います。
歌で…(何言ってんだこいつという遠い目)

システムを構築する人間側としては、ここからは侵入させない、これを破られてはいけないというラインを構築しておきます。
要するにセキュリティですね。
AIをロボットに搭載するっていうの、そこを考えておかないとめちゃくちゃ危険な行為なんですよ。
自律型ロボットってただの夢のある話ってだけではないはずなんです。
だってめっちゃ力が強いガードマンロボットが夜襲ってきたら怖いでしょ?
それを当たり前にやるようになった世界の割には、AIを制御しようとする観点がなさすぎる。
こういう、ちょっと描写しておけば格段に世界観が深まるのになあという点が抜け落ちてて、悲しい。

 

結論

これまでのことを全部まとめて飲み込んだ上で、考えたらこういうことでした!!

・やりたいことが多すぎて、詰めすぎた結果迷走したように見える
100年を超えられるAIを主人公にするのなら、タイムトラベルまで盛り込むと情報過多
→100年先の未来の世界を演算した結果からそれを変えようとする、でもよかった

・やりたいことが多い割には、ドラマ重視したせい&設定やその筋の知識が足りなさ過ぎて、詳しい人間から見てると痒すぎる
→技術のレベルや戦闘手段がおかしい(時間を越えられるのにAIを制御できない)

・純粋に「AI」として見るとしんどい
→スタンドアロン運用型のAI搭載した自律ロボット(ドラえもん)の話なんだなと割り切ればよかった
個人的にAIって全面に出されたからサイバー系意識していたのが私の敗因
(人間の気持ちを結構理解済の歌姫ドラえもんの話と思えば…マシ…か…???)

 

こうしたらよかったんじゃない?

個人的「これだったらヴィヴィちゃんは覇権春アニメになってたんじゃない?」
〇100年の旅の間に、歌で幸せにしたい人間が既に滅んでた(ことをアーカイブに知らされる)
もういいでしょ?これからは私達(AI)のために歌ってよ、とか言われちゃう
うーんディストピア(˘ω˘)

〇AIをお仕事ロボットに限定した理由を
「シンギュラリティポイントを経た1つのマスタAIが人間をはるかに超越した存在になりそうだったので、それを抑えようとした人間側の最後の抵抗として、AIには1つだけ使命を持たせるという制約を課して、しかもそれぞれの個体(仮)が連携できないようにした」
それを少しずつ取り戻していく、いわゆるAI版どろろっぽい話にしてみる

私このAI版どろろっぽい話、めちゃくちゃ見たいんですけど^p^
ちょっとずつアクセスできるネットワークや自分たちの領域も増えていく、非常にサイバー方面でわくわくする
ストーリーになりそう。
誰か書いてくれませんーーー?

興味は持ったが早々に「思っていたのと違う」を感じ始め、最終的に疑問点ばかり降り積もったアニメでした(;^ω^)
サイバー系は雰囲気で楽しめるよ!AI関係の難しい話は要らないよ!という人には割と刺さるかも?

 

 

私みたいな人にオススメかもしれないAIもの小説の話

未来の世界・人工知能、その辺がお好きな人は、ぜひ森博嗣作のWシリーズ(完結)とWWシリーズ(刊行中)をお読みください^p^!!
ダイレクトマーケティングすみませんね(笑)

最高に美しい知の世界です…本当に未来はこうなるんじゃないか…と思ってしまう、人工知能と人間に対する森先生の考察と描写が緻密すぎて…。

人工知能は人と似て非なるもの、知と思考を求めるものとして描かれているのが私はとても好きです。
人工知能には思いつかない視点や、会話を即座に発展させる様は人間から得られる貴重な知見、として人間に非常に興味を持つ人工知能の会話が本当に綺麗で、自分が賢くなったような気にさえなる(笑)

 

ミステリ作家として知られてますが、WシリーズとWWシリーズは未来SF小説としての読み物に近いかなと。
それより前のシリーズ読んでなくても特に問題なく読めます(ただ、たまに過去作とリンクした人物名がちらちら出てくるので、知ってる人はざわざわする、という感じ)

 

ああ、私が森博嗣作品で構成されている(笑)から、ヴィヴィちゃんを受け入れがたかったのかもしれません(;^ω^)←

持論が強いほど、vivy を考えた人とのずれがあり、それを強く感じて純粋に楽しめなかったのかも。

もし「そういうやつでも楽しめるのはこちら!!」とかオススメAIものとかあったら教えてください^^
洋画でも可(笑)

 

ご清聴ありがとうございました(˘ω˘)

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坏乃

2件のフィードバック

  1. 『そうかジャンル:ドラえもんなのか!』
    vivyは予告を拝見して、とても興味を持ったのでワクワク録画予約した作品だったのですが、テレビ買い換えたり配信期限見逃したりで一喜一憂しつつも最後まで無事Tverで見ることが出来ました…。
    エンジニアの視点からの感想というものは私のような一般市民とは異なる次元からご覧になってるということが分かりました。専門知識の有無で見える世界が広がるのですね。
    私は『100年の旅』という点に対して「そんな壮大な時間と戦いをどうやってやっていくんだろう」と興味をそそられ、そして『AIを滅ぼす』ということは、自分自身も最終的に消滅するための旅なのでは?と思ったので、最後どうなるのかすごく気になるアニメでした。
    マツモト役の福山さんがラジオで製作陣と制作秘話をお話しされていましたが、最初まさかの宇宙物だったとか、マツモトは宇宙船だったとかいう暴露に対して「宇宙戦艦マツモト」という返しがとても印象に残り過ぎて、ええと何の話でしたでしょうか←
    あぁそうそう。確かvivyの放送前イベントの中で、ぜひ長くこの作品を見てもらいたい→100年後の人が見たときにどう思われるかという話の流れになって、現実は創作を易々と超えていくからありえない話を描くくらいが良いと以前どこかで。←これはスポーツ漫画のお話でしたが。メジャーの大谷選手のご活躍などを連日拝見していると事実は小説より奇なりがよく分かります。なので、AIの進歩というのも驚くほど人間に近い存在で描かれるのだなと思いました。
    演算で答えを出せるAIなのになぜこんなに悩むのだろう。そもそもネットワークで繋がってるなら会話いらなくない?と思っていましたが、ドラえもんといわれて、すごく人間に近い存在になっている世界の話だなと納得致しました。
    頭の悪い文章で申し訳ないです。
    伝えたかったことはこちらです↓
    え、えっ、なんか色ついてる!!すごーい!!!!

    • 『知っている技術だと、現実的な夢を見てしまうんだと思います(˘ω˘)』
      いつもコメントありがとうございます(*´ω`*)!!何度も読ませていただきました。
      私もバリバリの第一線で活躍するエンジニアとかではないので、偉そうに理屈ばっかり書いてしまってすみません(笑)
      私も、桜龍様のような、壮大な時間の流れとか、AIを倒す自己矛盾ってどうするんだろう、というのも最初の頃考えておりました(˘ω˘)
      その辺も、考えられているんだろうか(;^ω^)?と思ってしまうところですが…例えば、あっという間に数年経過したと思えば、その辺さらりと流されてしまうか、ヴィヴィちゃんがただ寝ていたように描写されてしまうのもすごく残念でした。
      技術の進歩の流れも感じられず、ただ交流を持った子供が大人になっていたくらいでしょうか…もうちょっと何とかできたんじゃないのかと(;^ω^)
      おっとまた愚痴っぽくなってしまいました、すみません><
      元々ITやサイバー空間に興味があるかないかで、感じることも見えるものも違うかもしれませんね。
      私と同じような感想を持っていた友人もエンジニア且つSF好きの子なので、どうしてもこう、なんでしょう、現代に生きてる技術の延長を描くのであれば、基礎は最低限把握した上で超えて行け!!!と思ってしまうんですね(笑)
      いやあその辺を理屈無しに「すげー!」と思えればいいんですが、なまじっか中途半端な知識と興味があるせいで、生々しい現実的な夢しか見れないのかもしれませんがvvv

      しかし少なくとも、あのサーバ(作中ではアーカイブ)に接続したPC(AI)はウイルスによって感染(暴走)してる!!なんていう時に、なんだって!?と脊髄反射のように何の対策もなくその汚染元サーバに接続するようなことは絶対にあり得ないですvvv
      あれはさすがに、もう露骨な言葉で書いてしまいますが、ドン引きしました…!
      AIにしろPCにしろ、現在においても絶対やってはいけません(;^ω^)危ないのでやめてくださいね(笑)

      逆に、その辺を全てオリジナルで固めている作品の方が、心などの面でただ揺さぶれ!!!となっても比較的粗が出ない気がします^p^
      例えばですが、ガンダムのミノフスキー粒子やアムドラのアムエネルギーを視聴者がああだこうだ言っても仕方ないですよね(笑)

      あと、人間に近いというのを非常に厳密に分析したくなるオタクって、要するにこのサイバー系すきーやAI関係の哲学考えるのすきーの筋には結構多い気がするので、最終的には好みの問題でもありますね^p^
      こちらも長々と失礼いたしました!

      最後に色のとこ気づいていただいてありがとうございました!!頑張りましたvvv
      自分でまとめ書いて読み返したらめちゃくちゃ読みづらかったので、これはいかんと思い、webサイト構築屋だった時の記憶を呼び戻し、久しぶりにHTMLタグとかCSS埋め込んで綺麗にしてみましたvvv
      今後も真面目で長い話(笑)書く時はやるかもしれません^p^

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