幻想水滸伝Ⅳパロ―Ⅱ
怪しい商船からなんとか逃げのびた三日月と仲間達は、それからまた海を漂い始めました。
せっかく一難去ったと思っていたのに、今度はウォータードラゴンに襲われてしまいます。
傭兵団にいた頃にも、足場が悪い船の上での戦闘を何度も経験していたおかげで、 武器などの条件の悪さに多少手こずりながらも危なげなく勝利しました。
今度こそ安堵……と思いきや、次に襲いかかってきたのは大きな津波です。
こればかりはどうしようもありません。
どこまでツイていないのかと思う間もなく、小船は海水に飲み込まれ、三日月達はあっという間に流されてしまいました。
降り注ぐ陽射しの暑さに三日月が目を開くと、目の前は一面の砂浜です。
「……?オルガ?」
砂の上に散らばる木片は乗っていた流刑船のものでしょうか?
思考がまとまらなかったのは瞬きほどの間で、三日月はすぐに辺りを見渡しました。 砂浜は大した広さではないのでざっと首を振ると大体のことが把握できます。
流されて漂着したのかと頭に浮かぶよりも先に、5メートルほど離れた場所に倒れているオルガに一目散に駆け寄ります。 擦り傷以外のケガはなさそうで、声をかけるとすぐに意識が戻りました。
オルガから更に10メートルほど離れた場所で、シノとユージンも見つけます。
そこでようやく三日月は、ここがどこなのかと思いました。
先ほどのドラゴンの件もあります。何が出てくるか分からないので、1時間ほど砂浜で休憩してから4人全員で歩いて回ってみました。 どうやら無人島のようです。
30分歩くと1周できるほどの小さい島。
洞窟や少し開けた丘などの地形を把握して、使えそうな物や食べ物があるかどうかも調べます。 モンスターの生息がオルガの最大の気がかりでしたが、洞窟内に弱いモンスターが出るだけで、 このメンバーなら誰が1人で遭遇しても特に問題なさそうでした。
夜が来る前にたき火を焚こうとオルガが提案し、 拾った木片に光を集めて悠々と火を起こします。 こういったサバイバル能力はさすが元傭兵団員なのでしょう。
海岸の砂地に座って、三日月が見つけてきたヤシの実のような実が晩御飯です。
久しぶりに踏んだ土と久しぶりに警戒を解けたおかげで、全員の顔が緩みました。
「で、どうするオルガ」ヤシの実にかぶりついていたシノが唐突に口を開くと
「あの船はもう使えねえだろ」ユージンも同調します。
誰も具体的な案はまだ持ち合わせていません。
しかし
「しばらくここで暮らすってのはどーよ」
とシノが軽く言い放ったアイデアに対しては、すぐに反論するオルガ。
「こんな所で時間は潰せねえ。 ミカの無実を晴らしに戻るには、こんな所さっさと出てどこかで力をつけねえと」
「船、造ればいいんじゃない?」
三日月が何気なく言うと、 3人が一度顔を見合わせた後で一斉に三日月をまじまじと見ました。
何かおかしなこと言った?と不思議そうに首を傾ける三日月。
「だってロープも木も拾えるし、オールはほら、乗ってきた船の」
ツイ、と三日月が指さす方向には確かにオールが岩に立てかけてあります。いつの間に見つけて拾ったのでしょう。
再び顔を見合わせるオルガ、シノ、ユージン。
そこからはあっという間。
それから数日かけ、それぞれが分担して、食料、ロープ、船を造るための木材を集めていきます。
4日目が訪れる頃、それは立派な形になりました。
ところで、三日月達が無人島に漂着してから3日間、三日月には物資集めとは別の習慣がありました。
